読書感想文 [2023号]

2007年8月31日
本日の日記

夏目漱石「こころ」を読んで

(最近このエントリーにアクセスが集中していて困惑しております。
別に転載してもかまいませんが、あくまでも遊びで書いたのであって感想文と内容の整合性や主張の妥当性について、一切の責任は負いませんのでご了承ください)

読書感想文の定番でもある本作品の感想文は、すでにいくつもの原稿が先生のデスクに載せられ、そして赤ペンで脱字をはねとばされたことだろうと思います。
ですから、こころの感想文は先生をうんざりさせているかもしれません。しかしそれでも私が感想文を書くのは、本書が現代に有効な書であると感じたからです。

人間が欲を出すときはどんなときなのだろうか、と私は思いました。金銭が絡むときでしょう、欲望がからむときでしょう。夏目漱石は「恋」で抽象的な観念を具体的にひもといて見せた。
「先生と遺書」の章です。
全文が先生の遺書であり、なぜ私に対して自己をおとしめるような言動を繰り返したのかが赤裸々に語られています。Kと先生とお嬢さん。Kは結局自殺をしてしまうわけですが、Kを追いつめたのは本当に先生なんでしょうか。

確かに先生は策士でした。
しかし臆病者でした。だから策が悪い方に向かっていき、結果としてKの死がありました。先生はずっとそのことを悔いていたわけですが、実際Kが自殺の道を選んでしまったのは、K自身にも問題があって、Kは精進の道に進みたいという気持ちと恋心という全く別の方向を向いている気持ちがありました。
そしてKは恋心になびく自分の心を制御できなかったのです。Kは先生に「精神的に向上心のないものは、ばかだ」と先生を批判したことがあります。ようは精進の道を取らない先生を批判したわけですが、今度はその言葉が自分にブーメランの様に帰ってくる。
その言葉を返したのが先生なので、やはり先生にはエゴイズムの気があるのかもしれません。でもK自身も結局その自己矛盾を解決できなかったわけですから、先生だけを責めるというのもどうかと思います。

ただ、先生は結局お嬢さんと結婚してもずっと後悔の人生を送るわけですから、妻であるお嬢さんも浮かばれないでしょう。
一番好きな人の「愛してる」という言葉が信じられないという苦しみは想像せずともわかります。

さて、この「こころ」でもっとも注意すべきなのは展開の仕方です。何気なく読むとうっかりしますが、「先生と遺書」が最後に展開されているという点がすばらしいです。

「私」は先生に「私」の実家の財産はきちんとしなさい、と
注意したりします。いざというまぎわに、急に悪人になるんだから恐ろしいのです、と言ったりします(先生と私にて)細かい伏線があって、先生と遺書で全てが明らかになる。先生がどうしてアイロニカルに世間を見るのか、必要以上に自分をさげすむのか、読めば読むほど核心に近づきますが、時が来たら話す、とたびたび話は延ばされ、読者は充分にじらされます。
話が繋がったときの快感は、さすが文豪、という感想しか持ち合わせませんでした。

この本を読んで感じたことは、エゴイズムが悪いとかそういうありきたりなものではなく、要はこの時代の人たちの価値観も先生とKを苦しめた要因なんだな、という事でした。しかし現代に夏目漱石の主張が通じないかと言えばそうではありません。

自分の欲だけに生きようと思えば、むしろ現代の方が楽にできます。
実際介護問題や格差社会等、個人主義の弊害は現れ始めています。
明治の世相でも個人主義はあり、夏目漱石はそれを批判したりしました、
問題は現代には行き過ぎた個人主義を批判する者がいないという点であります。


(12月22日に補足::
個人主義の先に利己主義があるとするなら、この書き方でもまあまあですが、
個人主義=利己主義ではないということに注意しないといけないと思います。
その点で僕の書き方は不適切ですね。
どちらからというと、自分の欲だけに・・・のあとは以下のようにすると
良いかもしれません。
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自分の欲だけに生きようと思えば、むしろ現代の方が楽にできます。また行き過ぎた個人主義がいかにも正当な主義であるかのように誤解されている側面もあります。個人がもつ生来の権利を守ることが個人主義の本質でありますが、行き過ぎた権利主張によって集団が否定され、利己心だらけの世の中になりつつあるように思います。
情けは人のためならず、と言う言葉も、もはや時代遅れとなりつつあると感じます。私がこの小説を読んで思うことは少なくとも自分だけはその利己心を止めようということです。

もし己が欲望におぼれそうになったとき、3歩引いて自分を客体化する必要があるだろうと感じました。そして現代の私がこの小説に感化されただけで決めつけるのは不十分かもしれませんが、この小説は現代にたいして有効な警鐘を鳴らしている気がすると私は思うのです。
)

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昔は書くのに苦労した読書感想文も適当に埋められるようになったな。
しかし今、読書感想文がナイ。

ネタがないから読書感想文を書いてみた、でした。

今日のマミ
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午前2頃、マミが廊下でゲロはいてました。
で、当然この時間帯に起きているのは僕なわけで、
「あー、ゲロ処理か・・・」

と思いながらはきおわるまでニコニコ動画を見てたんですけど、
急に足音がして、片付けの音がする。

廊下に出ると母でした。


「(寝てたはずなのに)よくわかったねぇ」


「いや・・・」

やはり母はつよしですね。
僕だったら一度寝たらゲロの音では目が覚めない。
・・・と思ったけど、昔マミのゲロから一日が始まった日があったような・・・。
(昔:
http://diarynote.jp/d/14421/20050815)

嗚呼ネタないね、苦肉の策・・・『勝手に僕も答える』
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きょうのしつもん
「自分は犬と猫、どちらタイプだと思いますか?」
(宮崎あおいさんに1日1問より
http://yasashiiever.aflac-duck.jp/)

あおいたんと同じ。どちらでもない。
ただ割合としては猫が7割かな・・・
犬みたいに群れを作るのが苦手だし・・・愛想はたぶん悪い方じゃないと思うけど・・・。

猫は気分屋か・・・。そうだなーでも猫って結構甘え上手ですよねー。
ティッシュ投げればだいたい遊んでくれるし、
案外つきあいは良いですよ、猫も。